「!」

 しばらくして、荒れ果てた廃墟が目に飛び込んできた。

 崩れた建物が散在し、戦うにはうってつけの情景にベリルはニヤリと笑みを浮かべる。

「お前たちは船を停止させて待機しろ」

 言って、ベリルは廃墟を走り回った。

「? 何をしてるんだ?」

 上空からその様子を見ていたディランと白銀が首をかしげる。

「罠でも仕掛けてるんじゃないか?」

 リャムカの言葉で傭兵だという事を思い出した。

「あの人って、何歳なんだろね~」

 時間を持てあましていたエイルクがぼそりとつぶやく。

「マクロディアンの事は聞いた話だが、感情の起伏がほとんど無いという話だ」

「! え、そんな風には見えないけど」

 ディランは意外な顔をして聞き返すように発した。