<どうだ?>
「大した武器は装備してないようだ」
「船での攻撃を目的としてないって事か」
「牽制程度でバイクを落とす気かな?」
「じゃあ、こっちも牽制だ」

 ディランがそう言うと、エイルクとリャムカは後ろにあるレーザーに向かった。

<シールドだけは良いものを使っていると見た。同じ場所を狙え>

 ベリルは言って、バイクを自動操縦に設定しライフルを手にする。

 出力を最大にして、敵の輸送機に照準を合わせた。当たればデカイが、外れればバッテリー切れで武器が1つ失われる。

「……」

 攻防を繰り返している上空の2隻の船を左目で視界全体に捉え、右目のレーザーサイト(照準)は敵の船に──

「!」

 エイルクの目に、下から敵に向かった閃光が見事に相手の船に命中した光景が映る。

「当たった! すげー!」
<油断するな。これで終わりではない>

 煙を吹き出しながら遠ざかる敵の輸送機を一瞥し、ベリルはポイとバッテリー切れのライフルを投げ捨てた。