『簡単に信じられるような事でもないし、危険な事にも巻き込まれるかもしれない』

 という彼らしい気遣いだったのだろう。ディランは呑気で楽観的な性格だ。その事実を知っても大して驚きはなかった。

 どちらかといえば、天使の子どもだった事の方が驚愕である。

 銀河連邦で運転手かデスクワークをしていた時よりも、今は何倍も充実していた。

 彼は大型船舶免許も持っているのだ。白銀にとってはこのうえもなく助けになる親友である。

 その運転技術も素晴らしく、操縦を任せていられる程だ。

「異常な~し」

 と、目の前の大きなパイプをコン! と叩いた。

「……」
「……」

 そこにいた青年と目が合う。見慣れない顔だ。

「こんにちは」
「やあ」

 ディランはどう反応していいものか悩み、挨拶が口を突いて出た。

 青年はそれに、普通に挨拶を返すのだった……