「追いかけてきたって事は、この船にそれがあるって事?」

「……」

 ディランの言葉に、みんなは嫌な予感を浮かべつつ互いに顔を見合わせる。

「俺の船にあるとは限らないだろ。あの時、船は何隻もいた」

「じゃあ、奴らはその時にいた船を片っ端から強制捜索してるって事かい?」

「多分、そうだろう。港にいた船のリストは隠すようなものじゃないからな、簡単に教えてもらえる」

「そうだよね。オイラたちが特別な人間なら、秘密にしてくれるんだろうけど」

「とにかく、また奴らが襲ってくるとも限らない。警戒はしておこう」

 溜息混じりに白銀が言って、ひとまず話し合いは終った。


「ホント、シルヴィといるとタイクツしないよねぇ」

 エンジンルームでエンジンの点検を行いながら、ディランはぼそりとつぶやいた。

 白銀とは幼なじみだが、彼が『エナジー・ブレイン』だと知ったのはつい最近の事だ。