「なんだ?」

 白銀は慌ててリビングルームにある通信端末に駆け寄った。

<そこの船、ハッチを開けろ>

 男の声だ。威圧感を放ち、強制的に発する。

「どういった理由か教えてもらいたい」
<……>

 応えのない相手に白銀は眉をひそめた。どうやら、何か厄介ごとらしい。

 ディランは白銀の目に無言でコクピットに向かう。

<ハッチを開かないつもりなら、無理矢理にでも入るぞ>

「やれるものならやってみろ」

 白銀はそう言って通信を切りコクピットに向かった。

「だ、大丈夫なのか?」

「どうだかな。レーザーケーブルのレベル次第か」

 心配そうについてくるナナンに応えながら、白銀は軽く舌打ちした。