「……?」
「どうしたシルヴィ」

 リビングルームで、コーヒーを傾けながらパネルを眺めて首をかしげる白銀にナナンがいぶかしげに問いかけた。

 今はエンジンを停止させ、宇宙を漂っている状態だ。

「いや……何故か船の総重量が、人間1人分多い気がして」

 白銀が見ているのは船の端末だ。持ち運べるようになっていて、船の色々を確認している最中である。

「密航者でもいるのかな?」

 しれっとディランが言ったが、白銀とナナンとリャムカは顔を見合わせた。

 密航者が乗り込んだとすればルジラドリトアしか無い。

 悪霊騒ぎのあった惑星と密航者……気持ちの良い想像は出来ない。

「!?」

 突然、船がガクンと揺れて警告音が鳴り響いた。