CHATEAU LATOUR

唇が離れる。


停止したままの思考。


「大丈夫か…?」


凪のその一言で我に返る。

「−え?」


目を開けると、間近に凪の顔が。近すぎる。


「顔…真っ赤だけど、熱でも「な…ないよっ!」


慌てて顔を反らす彩音に凪は、悪びれた様子もなく。