「着いたなら着いたって言って下さいよー」
「すみまそん」
「謝る気ないでしょ」
ブーツを脱いで、龍の後に続き部屋に入る。
リビングに入り、目を見開いた。
「部屋綺麗やんっ」
「当たり前っすよ!!!朝から掃除したんすからっ」
「えらーい龍っ」
「任して下さいっ」
意外や意外。
絶対汚いと思ってたのに。
漫画もないし、ゲームもない。
床も全部綺麗。
「あ、」
ふと視界に入るのは、キラキラ輝くもの。
クリスマスツリー。
「あっ、これ綺麗っしょー?」
「…うん」
「一度でいいから、こういうのやりたかったんですよねー」
ニコニコと微笑む龍。
私はなんだか泣きたくなった。
嬉しいのと、切ないのと。
二つの意味で。
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