流れる景色を横目に、深く座席に座り込む。
横に英寿くんが座ってるのはなんか違和感やけれども。
暖房付いてて暖かい。
車やし予定より早く着くけどいっかな。
｢てか不思議なもんやなー｣
｢何が？｣
英寿くんのポケットからタバコを一本奪った時。
雄大くんは運転しながら軽い笑みを零して。
｢昔ゆいって龍の家族みたいなもんやったやんかー？｣
｢あー｣
｢でも今は付き合いかけ？やし｣
｢……………｣
｢何処で恋愛に発展するか分からんわ｣
口から吐き出す煙は、少し開いた窓から流れていく。
笑う雄大くんと対象的に私は無表情。
家族。
龍の本当の家族、か。
｢せやね｣
無表情だけど。
心は騒がしい。
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