「ふーん」







私の返答に英寿くんは微笑む。

それに答えるかのように、私も微笑んだ。





今、何時やろ。

このままずっといたい。



何故か無性にそう思った。

でもやっぱり、時間は進む。









「空、明るくなったな」


「本間やね」


「ぼちぼち帰ろけーっ」











太陽はまだ出ていない。

けど空は黒から青へ。






二人がバイクから降りたのを確認すると、私も座り直す。

鍵を刺し、エンジンをかけた。









「てか英寿くん、進路どうしたん?」


「専門学校辞めて工業化もある大学に行くことにした」


「受かったん?」


「当たり前やろ」


「つか俺には進路聞かへんの?!」


「気をつけて帰ってねー」


「……………」










ほらね。

皆別々の道。






悲しいなんて言わない。

いつまでも二人に縋れない。











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