後頭部を掴んでいるのは龍の手。

腰に回るのは龍の腕。






唇に触れるのは、龍の唇。











「んっ、」


「静かに」









吐息が直接当たる。

掠れた声が耳を刺激する。

心臓が、高鳴る。









しばらくすると唇は離れたけど。








目の前にはどや顔の龍。

余裕たっぷりで、ムカつく。











「あのね!!!」


「はい、クッキー」


「へ?」


「バレンタイン、チョコケーキ有難うございましたっ」


「あ、うん、こちらこそ」









怒ろうとしたけど、クッキーを手渡されてしまって意気消沈。

手の中にあるのは確かに有名なクッキー。






顔を上げれば笑顔の龍がいて。

ま、機嫌直ったしよかったかな。








こっちは顔赤くなっちゃったけど。










.