「タイミング?」
「迎えに行っても、お前は里子に出された後やって」
「……………」
「解消された後行っても、今度は脱走後」
下を向く親父がどんな表情をしているか分からない。
鏡のない部屋で自分がどんな表情をしているか分からない。
「何度も孤児院の人に伝言を伝えてた」
「、」
「けどお前、そんなん聞かへんかったやろ」
「それは、」
また里子に出されると思ったから。
また、知らない人のところに行くと思ったからで。
幼い自分を。
一瞬、恨んだ。
「探し出したんも最近や」
「っ、」
「そんで尚輝を転校さしてお前のことも詳細に調べてもらった」
「ほな、」
「本間にすまんな、変な嘘ついて」
残酷な嘘を吐かなければ。
俺は、ここに来なかった。
「おかえり」
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