ポンっと龍の背中を叩く。 精一杯の、笑顔で。 龍なら大丈夫。 英寿くんと雄大くんから三発も受けた男やもん。 「…わかりました」 背を押され、龍は歩き出す。 私の横を通り過ぎて。 振り向くと龍は立ち止まり、同じように振り向く。 そして笑顔を浮かべ、 「副総長命令、ちゃんと待っとくよーに」 「っ、」 「すぐ帰って来ますんでっ」 「…うん」 手を振り、二人龍は歩き出す。 見えなくなるまで私も手を振って。 「行って、らっしゃい」 小さな声。 これも、精一杯。 .