騒がしい廊下が静かになる。 私の声は思っていたより響いて。 「…は?」 今度は、龍の声。 怒りと悲しみ、困惑。 ゆっくりと視線を外から龍へ。 もう、逃げない。 「だから車乗りって言ってんの」 「意味、分かってんすか?」 「分かってる」 私が龍を守らなきゃ。 私が冷静でいなきゃ。 ずっとそう思っていた。 けど、どれだけ私が頑張っても意味がない。 龍本人がどうにかしなきゃ解決しない。 だから、 「総長命令、行ってこい」 自分の立場を利用する私を許して。 .