「…?」 今、確かに鈍い音がした。 殴られる、そんな音。 ゆっくり目を開けると、目の前には英寿くんが変わらずそこにいて。 ただ、驚いた顔で地面を見ていた。 地面? 「いってー!!!!」 「は?龍?!」 そこには更に頬を赤くした龍。 さっきまで違う所で倒れていたのに。 いやいやいや。 え?なんで? 「お前なに割り込んでんねん」 「ゆいさんの分も、俺が受けます」 「あ?」 「ていうか、俺に受けさせて下さい」 「龍、」 私が殴られなかったのは。 龍が代わりに受けたから。 .