雪が本降りになる。

でも、寒くない。










「いきなり家族や言われて!!!病院継ぐとか言われて!!!」


「うん」


「更には留学?!顔も覚えてないのに?!」


「うん」


「意味分からんやん!!!俺は捨てられてんぞ?!!」








それは寒さを感じてる暇なんてないから。




悲痛な叫びが心に刺さる。

涙が溢れそうになる。





でも私が泣いてはいけないから。

私が龍の支えにならなきゃいけないから。








「結局、俺は一人なんすよ」










もうそんな言葉を。

絶対言わせない。










「龍は今まで通り生活したらいい」


「…………」


「それで親が出てきたら言いたいこと言えばいいやんか」


「ゆいさ、」








だってうちは。

彼女でもあり、先輩でもあるから。











「殴ったれ、そんな親」












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