「龍は、どこから話聞いてたん?」







真っ黒な龍の瞳を読むことが出来ない。

だから、聞くしかない。








「全部っすよ、ぜーんぶ」


「全部、」


「喧嘩が一瞬で終わったから直ぐに学校帰ったんす」


「…………」


「そしたら訳わからん話、笑っちゃいますよねーっ」


「笑え、へんよ」








龍の笑顔が痛い。

涙が出そうになる。




そりゃ信じられへんよ。

頭おかしくなるよ。






でも、











「そうやって、笑って誤魔化さんとき」


「どこが、」


「泣きそうな顔に不釣り合いやで」


「ほな俺は一体どうしたらいいんすか?!」








ガシャン、とブランコの鎖が揺れる。

と、共に大きな悲鳴。





見下ろす目は悲しみと怒り。

私はそれを受け止める役目でしかない。










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