私と出会った時、龍は孤児院から逃げ出した後。
そういえば昔、帰る家がないって言ってた。
だからしばらくは白虎連合の倉庫で寝泊まりしていて。
「さっき、お父さんが探してるって言ってたやんか?」
「うん、言った」
「それは龍と一瞬に暮らすって、意味やん、な?」
そう願いたい。
っていうか、それしか考えられない。
「それはちょっと違う」
「は?」
「話は戻るけど、離婚してから数年立って親父再婚してんな」
「いや、ちょっと待っ」
「新しいおかんは県内一でかい病院の院長の娘やって、親父は婿入りしたわけ」
「聞けって!!!」
「けど祖父とおかん事故で亡くなってさ、今は親父が院長してる」
俺はそんなに好きじゃなかったから悲しくないけどね、と続く言葉。
けど私はそんな言葉を望んでいない。
そう、望んでない。
「龍がな、親父の後を継ぐことになってん」
そんな言葉。
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