そう誓って数日。
転機は訪れた。
「で、他県の族が喧嘩売ってきてると」
「そうなんすよー、だから俺ら行ってきますねっ」
「うちも行こか?」
「ゆいさん出るまでもないっす」
五時間目と六時間目の間の休憩時間。
私の前には龍と蓮、そして隊員達。
んー、喧嘩売られてるならしゃーないし。
まぁ龍と蓮がいるなら大丈夫やろ。
「ほな適当に相手してきー」
「はい」
「口で言っても分からんかったら、その時は龍に任せるわ」
「ういっす」
「なんかあったら連絡して」
「わかりやしたっ」
ぞろぞろと教室から出て行く皆を見送り、再びジュースに口をつける。
そして小さく溜め息を零した。
「なぁ紫織」
「んー?」
「放課後職員室寄るし先帰ってて」
「勉強?」
「うん」
「わかったーっ」
喧嘩に行くなら龍は帰ってこない。
このチャンスは見逃せへん、な。
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