教室に戻って、相変わらず読書中の桐原に話し掛けてみた。


「あのさぁ、桐原。」

「え?あ、はい。なんでしょう?」

「……文芸部の部室って、どこ?」

「……ふぇ?」


ああ、やっぱり。
桐原がめちゃめちゃびっくりした顔でこっちを見てる。


あー、でもこんな顔でもかわいいなんて思った……俺、結構重症じゃない?


「あの、どうしてですか?」


フリーズから戻った桐原に、長野さんに放課後呼ばれた。と伝えると、


「分かりました、部室はちょっと分かりづらいので放課後一緒に行きませんか?」


はにかみながらそう言った桐原。


「い、行く!連れてってくれ!」