車に乗り込むと運転席の矢倉くんが声をかけてきた。 「俺、矢倉 旬。よろしくね。そんで隣りに座ってるコイツが安住 孝太郎」 「安住です。よろしく」 そう言って安住は微笑んだ。 「…木村 葉子です。よろしく」 あたしはもうこの瞬間から安住 孝太郎という男が気になっていたんだと思う。