「先輩。…あたしの話きいてくれる?」 「はっ?」 「あたしの過去のこと」 そう先輩を見つめながらいうと 先輩は少し間をおいて "あぁ" と短く小さくあたしに告げた。 その言葉が届けば あたしははなそうとする。 話そうとするのに、 なかなか話し出せない。 「美亜、無理すんな」 「へっ?」 「顔、強張ってる」 つんつんと頬をつつく先輩。 ちゃんと言うって決めたんだよ。 逃げないって決めた。 だから… 「ちゃんと聞いててよ」 わたしは先輩に一言そう告げると 昔のことを語り始めた。