貴女に捧げる夜

泣き続けて
泣き続けて


身体は完全に凍えていた


『寒いよ!リョータ!』


彼女は急に立ち上がり
お風呂場へと走っていく。


シャワーを出す音が聞こえ
僕を呼んだ。



二人で頭から熱いシャワーを浴び



泡まみれになって戯れあう。



震えて泣いていた彼女はもういなくて



吹っ切れたんだな、と
寂しいような
安心したような
不思議な気持ちで彼女を見つめた。