貴女に捧げる夜

合わないのかな…



彼女が悲しげに呟いた。



きっとそうだよ
合わないんだよ



次は言い聞かせるように頷いた。



きっと僕と



―――彼女自身に




彼女の中で、“僕”が急激に小さくなっていく。



彼女は手を伸ばして、
僕を抱き寄せた。