「男の人ってやっぱり浮気をするのね。^^」

言葉はきついが、顔文字が笑っているところを見ると、本気ではなさそうだ。

なんとなく相性が合うような感じがして、その後町子さんとは何度かメールのやり取りが続いた。

「元夫とも浮気が原因で別れたんですよ。あ、でも、あの人の場合は浮気じゃなかったな。15才も年下の会社の子を本気で好きになってしまって、『あの子と一緒になりたいから別れてくれ』って、それで呆れてジ・エンド」

「へー、あっけないね。泣いてすがって『捨てないでー』とか言わなかったの?」

「あ、そういうのはなかった。そう考えるとあたしも薄情よね。愛してなかったのかな」

「町子さんは結婚が早かったから。ハタチだっけ?一緒になったの。別れたのが結婚15年目なら、愛情も冷めてて当然の時期でしょう。俺んとこなんか、もうとっくだもん」

「直太郎さんとのメールが今一番の楽しみよ。今日は何を書こうかって考えながら過ごしてる。どんな顔で、どんな体系で、実物はどんな性格なんだろう。あたしたちいつか会えるのかな?」

その頃には、俺の気持ちは町子さんにぐっと魅かれていた。
俺だって知りたい。町子さんはどんな顔で、どんなスタイルで、どんな人なんだろう。

「町子さん、会いたい。お茶でもしませんか?」

メールのやり取りが始まって2週間後に、ついに俺は町子さんを誘った。