「あたし、探す!」


「ええっ?!」


何年も前の紙切れ一枚を探すなんて、無謀としか思えない。



鼻息も荒く、ゆきは立ち上がった。


「まずは…、家に電話して聞いてみる!」


「まぁ、…それが妥当だな。」


夏が頷いた。


「もし、なかったら?」


ゆきの様子に気圧されつつも、春樹が尋ねると、ゆきはにっこりと笑顔を称えた。


「それは、その時。」



その笑顔は、快活な少女の本来の姿だった。