弱く儚いモノ達へ






波の音。
パチパチと燃える木々。
刺青をもう片方の手で包み込む。
  

「…許せひんかってん…。」


遠くを見つめるすばるの視線。
  

「ジャンキーやったあいつが…俺を利用したあいつが…違う…それに気づけひんかった俺自身が…。」


涙で震える声。
   


「ジャンキー?」


不思議そうに聞き返す隆平。
   

「麻薬常習者のことや。」
   
「麻薬。」


驚く隆平。
すばるに目を向ける。
  


「あの時の俺は彼女を守ることよりも自分を守ることで精一杯やったんだ。あいつが…あいつが薬に手を出した理由よりも巻き込まれることの恐怖心だけがそこにはあってん。」
かける言葉も見つからずと沈黙が流れる。
   

「か…彼女には会ってひんのか?」



亮の問いかけに首を振るすばる。