弱く儚いモノ達へ





二人の間に流れる沈黙。
波の音だけが存在する。
黙ったまま忠義を見つめる視線。
仔犬の様に人懐っこくどこか寂しさを感じさせる章大の瞳。
   

「お前も戻ってええねんで。」


首をかしげる章大。
   

「つまらないやろ?こんなとこおっても。」


優しく首を振る章大。
   

「そうか。変わってるな。」


ニコリと笑顔を見せる章大。