水浸しの室内。
物があちこちに散乱している。
ひび割れた壁。
  


「俺らよう助かったな。」



苦笑いをこぼす裕。
  

「ほんまやな。この船直せるんやろか。」


不安な表情を覗かせるすばる。
  

「やってみるしかないやろ。」
  
「そんな簡単に…。お前 船の修理の経験あるんか?」
  
「ある訳ないやろ。ごたごた言うてても始まらへん。」


強い口調。
物をどけていく裕。
その横で戸惑いの隠せないすばる。