水の流れる音。
澄んだ川の中ゆうゆうと泳ぐ魚。
水をがぶ飲みする亮と博貴。


「魚。魚いっぱいおるで。」


無邪気に騒ぐ博貴。


「なぁ。何か入れ物。持ってるわけないか。」

溜息をつく亮。
靴を脱ぎ捨て川に入っていく博貴。

「何してんねん。」

「今日のおかず。」

魚を指差し答える博貴


「アホやろう。バケツも何もないんやで。」


冷たく言い放つ亮。

「そうか。一度入れ物取りに戻ろうや。水も汲んでかなあかんしな。」

川から岸へとあがる。
石に足をとられ転びそうになる博貴。


「お前。何処でも暮らしていけるやろ?」


転びそうな博貴を笑う亮。