「それでお前は何が出来るねん。」
   
キョロキョロしている隆平へ声をかける信五。
   

「お前やって。えっと。隆平やったっけ?」
   
「僕は…何も…したことあらへん…。」
   

小声で呟く隆平。
   

「いつも…誰かがやってくれててん。」
   

うつむいたまま答える。
   
「ああ。もうええわ。とりあえず着いてこいや。」
   
「待って下さい。」
   
信五の後を慌てて追っていく。
   
   



残された忠義と章大。
顔を見合わせる。
相変わらずニコニコ笑っている章大。
   

「ハァー。」
   

溜息をつく。
   
「俺等も行っこか?」
   
うなずく章大。