弱く儚いモノ達へ

  




「何 笑うてんねん。気持ち悪い。あいつココ大丈夫なん?」
   
自分の頭を指差すすばる。
   
「そんなこと言うたるなや。」
   
間に入る信五。
   

「名前聞かれてるで。」
   

章大の隣にいる忠義が声をかける。
キョロキョロと辺りを見渡すと棒切れを拾い砂浜に文字を書き出す。
   


『章大』
   


「しょーた?お前しゃべれへんの?」
   
うなずく章大。
   
「こいつ章大って言うらしいわ。」
   
章大に変わり答える忠義。
   

「口利けへんの?」
   

章大の前にかがみこむ信五。
相変わらずニコニコと笑顔を向ける章大。
   

「そうみたいやな。」
  
「口だけやろな?」
   

離れたところから章大に目を向けるすばる。
   

「どういう意味や。」
   

すばるに目を向ける博貴に
   

「頭は大丈夫かってことやろ?」
   

答える亮。
忠義の横で首をかしげる章大。