フラれた訳じゃない。しかし状況は似たようなもんだよな、と泣きながら思った。ぎゅう、とカナの手を握るわたしの手に力が入る。
「違うんなら、なんで泣いてんだよ…」
ホトホト困った、そんなタケルの声。ごめん、困らせて。言おうとした言葉は言葉にならず鳴咽に変わる。
「とりあえず、少し落ち着きな…。それから話てくれればいいから」
「う、っ…ん」
カナが頭にポン、と手を置いてそのまま頭を撫でた。小さい子どもにするような感覚だろう。わたしは全く成長していないんだな、と痛感した。だけど、カナの手の温もりが優しくて。よかった。少し落ち着く。
「ありがと、カナ」
「いいえ。どういたしまして。落ち着いた?」
わたしは頷く。よかったな、と声をかけてきたのはタケルで、それにもわたしは小さく頷いてみせた。
