お隣りのあなた。


タケルはとにかく歌いまくった。大声で、上手い下手関係無しにがむしゃらに歌った。6時間のフリータイムの内、わたしはたったの6曲しか歌わなかった。否、歌えなかった。タケルが次から次へとバンバン歌を予約していき、わたしが予約する暇さえ与えてくれなかったのだ。しかもタケルは6時間分キッチリ歌い切ったのだから驚きを通り越して呆れてしまう。

「オラ!菜乃子!もっとテンションあげろっ」
「い、イエーイ!」
「まだまだ歌うぞーっ」
「(まだ歌うのかよ!)イエーイ!!」

盛り上げ役が1人しか居ないのは結構きつい。それを今日痛感した。半ばやけになりながらタケルを盛り上げた。歌ってもいないのに喉が痛くなったのは始めてだ。

その日、家に帰ってからすぐにタケルからメールが着ていて、確認したかしないかはっきりしないままわたしは自室のベットに倒れ込んだ。疲れた。
知らず内にわたしは眠っていた。