お隣りのあなた。

 


早く、と急かすとタケルは頭を抱えながらうー、と唸りを上げながら、ボソリと呟いた。

「……………ナ」
「?ごめん、よく聞き取れなかったんだけど」
「……カナ!」
「カナが?どうかしたの?」
「すきなの!」
「………誰が?」
「俺が!」
「…………」
「なんだその反の…」
「えええええ!!?」

場所など考える前に気付けば大声をあげていた。タケルはわたしの大声を咎めるよりも先に「反応、遅っ!!」とツッこんできた。

「だ、だって、カナ?カナって、本気で言ってんの!?」
「当たり前だろ!てかおまえ声でかいよ」

ようやく声の大きさについてツッコミを入れた。「ご、ごめん」と謝る。だけどそれどころではない。

「カナは無理だよ!」
「なんでだよ。まだわかんねーじゃん」

明らかにタケルの声がムスっとした声色に変わる。

「そーゆーんじゃないんだよ」
「?意味わかんねーよ」

「カナ、彼氏が居るんだよ!」

しかも大学生の素敵な彼氏さんが!
付け加えた言葉が堪えたのか、タケルは「まじか…」放心状態で呟いた。