「言いなさいよ。そんなのフェアじゃない」
「い、いや、ほら、さ」
「何が言いたいのよ」
焦っているせいかタケルは軽く額に汗が浮き出ている。「いや、そーだよな」と一見落ち着いてみえるその台詞も今のタケルの顔と一致していない。
「わーた、わかったよ」
盛大なタケルのため息と共にタケルが言った。わたしは小さくガッツポーズをする。もちろん、タケルにばれない様にだが。
「んで、誰?」
「あー、あーっと、うん、まあ、つか、おんなじクラスなんだけど…」
「まじ!?おんなじクラスなの!?」
「ん、まあね」
どこか気恥ずかしそうに、タケルは軽く頭をかいた。おんなじクラスって事はわたしも確実に知っていると言う事だ。誰だろう。タケルは基本クラスのみんなと仲良しだから誰が好き、とかはよくわからない。
「ねえ誰?誰なの?」
「ヒント形式は駄目ッスか?」
「だめ」
「即答かよ!」
「ひでぇ」なんて言いながらタケルは頭を抱え込んだ。そんなにわたしに言うのが嫌なのか、と思ってしまう。
