「菜乃子はさ、」
「む?あ、たまご焼き頂戴っ」
「いいけど、人の話をちゃんと聞きなさいよ」
時は流れ昼休み。わたしが学校で過ごす数少ない好きな時間のひとつだ。だいたいの生徒は学食に行ってしまうので教室で食事をとるのはカナとわたしと、数える位しか居なかった。
「はーい。で、なに?」
カナんちのおばさんが作るたまご焼きは美味しい。わたしの好物の1つである。口に含めばたまごのあの甘さが口中に広がった。「おいしー」とカナの話の邪魔にならないように声量を抑えて言った。
「…なんか菜乃子幸せそうだね」
「ア、わかる?カナんちたまご焼き美味しいもんで。それで話は?」
「いや、もういいよ。その顔見てたら言う気力が失せた…」
「え。それはわたしがそんなに阿呆面してたって事ですか」
「まあね」
「!!」
ピシャリっ、とカナは言った。昔から言いたい事ははっきり言うところは変わらない。
「ちょっと、それはどういう意――」「うわああぁんっ」
