のろのろと朝食を食べ、ぼんやりとニュースに耳を傾ける。今日は雨かあ、なんて思いながらサラダをつついた。

「菜乃子早くしなさい。もうすぐカナちゃん来る時間じゃない?」

お母さんが呆れたように食器を片付けながら言った。どうやらわたしが1番食べるのが遅いようだ。それでも早く食べようとは思わなくてサラダをゆっくりと口に含めば、お母さんは「菜乃子」と軽く怒ったような口調で催促した。

「今日はカナは来ないよ」
「あら、どうして?」
「生徒会役員、今日は朝早くに集合かかってるんだって」

カナとは何の縁だかは知らないが幼稚園から今までずっと一緒だ。因みに、あの時わたしを怒らせたタケルも、一緒の高校だ。
…ホントに何の縁で繋がってるんだか。

「へえ。1年生なのに、カナちゃん生徒会入ってるんだ」

凄いわねえ、と関心したようにお母さんは呟くように言った。
実際、わたしもカナは凄いと思う。学力だって学年でつねに3位から下に落ちた事はないし、生徒会にもちゃんと参加してるみたいだし。オマケに平凡な容姿なわたしと違って綺麗で大人っぽい。
難を挙げるなら運動が苦手な所位だったが、逆にかわいいなあ、とわたしは思う。