後で聞いた話で判った事なのだが、ななちゃんちのままと逆方向に歩いていたつもりだったわたし達は、いろいろな道を歩き回っている内に結局同じ方向を歩いて行ってしまったらしい。それで買い物帰りのななちゃんちのままに鉢合わせてしまったというワケだ。
全くもって運が悪かったとしか言いようがない。
家に帰ってからお母さんはわたしの頬を冷やした後にななちゃんちへ行った。その間わたしは1人で絵本を読みながらお母さんの帰りを待った。
「ただいまー……って、お母さんは?」
夜の7時になってもお母さんは帰って来なくて、先に帰って来たのはお父さんだった。お母さんがななちゃんちに行ってからもうかれこれ3時間くらいは経っているはずだ。
「……ななちゃんち」
「ななちゃんち?何で?」
「…わかいしに行った」
「和解?なんかあったの?」
今日あった出来事をどう説明すればいいかわからず、「しらない」そう言ってはぶらかし、2階にある自室に駆けて行った。「ちょっと、菜乃子ー?」
お父さんの困った声を振り払うようにわたしは勢いよくドアを閉めた。
