お隣りのあなた。

血相を変えてわたしのままが走ってきた。「まま!!」それと同時にわたしは叫んでいた。

「菜乃子あんたまでこんなところで」
「ままぁ!!」

半ベソをかきながらお母さんに駆け寄りダイブした。今までの緊張が切れてわたしはようやく泣き始めたのだ。

「どうしたのよ。なんであんたたちがここに居るの?」

困惑仕切ったお母さんに答えたのはななちゃんちのままだった。

「その子が悪いのよ」

まるで吐き捨てるように言ったななちゃんのままの言葉には刺が含まれていた。うちのお母さんが眉をしかめて「どういうこと?」

「菜乃子ちゃんがうちのなずなをたぶらかしたのよ。それで勝手に家を出てここに来てたのをわたしが見つけたの」
「…そうなの菜乃子?」
「ちがう!」

泣きじゃくるわたしに代わるようにななちゃんは大声を出して否定した。ななちゃんのままが「なずな!」と名前を呼んで一喝したが、ななちゃんはそのまま話を続けた。

「なずながわるいの!菜乃子ちゃんは、何にもわるくないの!」

ななちゃんの声が涙ぐみはじめ、わたしは一層大きな声で泣いた。お母さんはわたしを抱き寄せるようにして怖い形相でこちらを見るななちゃんのままからわたしを離した。