お隣りのあなた。

数秒経ってから頬を叩かれたという事実と痛みがわたしを襲った。不思議と泣きはしなかったが、激しく身体が怯えるように震え強張った。

「まま、何してるの!!」

ななちゃんはわたしを庇うようにベンチから降りてわたしの目の前に立ち、ななちゃんのままをキッと勢いよく睨んだ。

「なずな!!」
「菜乃子ちゃんは何にもわるくないの!なずなが、なずながわるいの!」

激しい2人の言い争いにギャラリーがパラパラと周りに集まってきた。そのギャラリーにななちゃんのままはわたしを見ながら深いため息をついてななちゃんの手を取った。

「帰るわよ、なずな」

怒りを抑えている声。怒鳴られるよりも恐怖感を抱いた。

「いやだ!!なずなは菜乃子ちゃんと居るもん!」
「なずな、いい加減にしなさい」

ギュッ、とななちゃんのままはななちゃんななちゃんの腕を掴んだ。ななちゃんはそれに暴れるように抵抗した。

「いやだ!いやだ!菜乃子ちゃんと居るもん!」

ななちゃんのままが、ギリっと唇を噛んだ。バッとななちゃんのままの手が上がる。ななちゃんが身体を小さく揺らして掴まれていない手で顔を覆った。
その瞬間。

「ケイコ何やってるの!?」