その後ちゃんとカナに言われた通りに部活に行ったけど、身が全く入らなかった。筆を持っても、全くやる気が起きない。
不幸中の幸いというか、なんと言うか。ありがたいことに今顔を合わせたくないランキングトップ3に入るであろう須賀部長が居なかったので、その事実にどこかほっとしている自分がいた。
ほっとしてる、なんてどうなのよ。とは思ったけど、顔を合わせたらわたしは泣いてしまいそうで怖かった。今、須賀部長の顔を見たら平常で居られる自信がない。須賀部長のことをもっと好きになってしまいそうで、須賀部長にすがってしまいそうで。
とにかく怖い。
結局部活は早めにあがり、帰ることにした。それ以上その場に居ても意味はないし、部員の士気が逸れたら申し訳ない。
それにもしも須賀部長が来たら、嫌だし。
「あ、……」
「あ、いた」
昇降口に向かって廊下を歩いているときに、須賀部長と同じく今顔を合わせたくない(以下略)に入る人とばったり出会ってしまった。
「ふ、藤田君……」
