お隣りのあなた。

 


だって、タケル言っていたじゃないか。

『まだ好きなんだなあ、と思って』
『…そんなにすぐ忘れられる訳ないだろ』

そんな会話をしたのは本当に数日前の話。
ということは、だ。
タケルは既にカナに対する想いはもう忘れてしまったと、無いということなのだろうか。一体いつからタケルがカナに想いを寄せていたかなんて知らないけど、きっと長かったに違いない。その想いをこんなあっさり、たったの数日の間に切り捨てたんだ、タケルは。本気でカナの事を好きだった訳じゃなかったんだ。

沸々と湧いてきた思いは、悲しみや落胆ではなくなぜか怒りだった。


「タケルゥア!!」

「!?」
「!?こんな近くで叫ぶなよ」

思いの外力んでしまったせいで予想以上の声量が出た。カナやタケルだけで無く周りのクラスメートまでもが驚いていた。