タケルの先程の台詞が、頭の中でぐるぐると回る。
タケルが付き合う?
誰と?
まさかカナではないだろう。
誰と?カナ以外の、
なんで?
どうして。
「へえ」
カナが声をあげる。その声でわたしははっ、として現実に戻る。「よかったじゃん」その声は心の底からタケルの事を祝福していた。
一方、タケルは困ったような複雑な顔で笑っていた。何かを諦めた時の顔に酷似していた。
「どんな子なの?」
カナが引き続き、明るい声でタケルに聞いた。
「んー。かわいい子だよ。昨日告白された。んで付き合う事になりましたー」
「告白されたんだ。変わった子もいるものね」
「変わった子いうなよ」
タケルは苦笑いしながらカナの質問に答えていく。わたしはそのやり取りを真横で聞いているのにも関わらず、どこか遠くで聞いている気分だった。全く反応という反応ができない。
