「啓吾には想いを
告げられたのか?」


涙が溢れだした。



「啓吾が望むことは
このまま兄妹でいることなんだって。
私を幸せにできるのは
勇樹しかいないんだって……。」


勇樹の唇が耳たぶに触れた。


「待つよ。
朱奈がその啓吾の望みを
受け入れられるまで……。」




「いいの?私?
こんなのずるくない?」



「朱奈は俺の太陽だから……。」



私は目を静かに閉じる。



「啓吾を愛してる気持ちも
俺は受け入れられる……。
だから 俺がこれからずっと
朱奈を守りたいんだ……。」



腰の前で重ねられた勇樹の手を
包みこんだ。



「温かい手ね……。」



「啓吾の変わりに
俺がこれからはおまえを
守ってやるから……。
急がないよ
ゆっくりと……
俺を必要としてくれたらいい。」




勇樹の言葉に
壊れそうだった心が
温かくなっていくのがわかった。