「俺ね…今日見たもの全て
絶対最期の瞬間まで忘れない
そう誓ったんだ。
キレイなものたくさん見て…
命が尽きるまで…また…
頑張れる……。
おまえが俺が見た人生で一番
キレイだよ……。」


「ホント?」


「忘れないよ…。
おまえは俺の命だから……
これからも一緒だ。
幸せになるようにいつも
支えているから……。
俺がおまえを幸せにしてやれなくて
ごめんな……。」


「啓吾…キスして……。
最後のキス……。
恋人としてのキス……。
そしたらちゃんと卒業する。」



目を閉じた朱奈の
可愛い鼻にキスをして


もう二度と触れることのない
愛しい唇に触れた。
そしてお互いを
激しく求め合うキスをした。


朱奈の舌に
触れるたびに
一つになれた気がした。



そして静かに唇を離し
朱奈の美しい顔を見つめた。


「ありがと……。
世界で一番愛してた……。」


「俺もだよ。」



「じゃあ…行くね。
おにいちゃん……。」



「おう!!」


朱奈は俺の車いすをゆっくり押して
扉の外に出て行った。