禁断の恋はじめます

迎えにきた両親の車に
乗りこんだ。


「あれ?朱奈は?」



「あ 向こうで待ってるって。」



「どこに行くの?」



「お楽しみにしてて。」
かーちゃんが笑った。


窓の外の木々の葉は
すっかり色を濃くしていた。

「俺が苦しんでる間に
すっかり春になったんだな~。
こんなにいい薬があるなら
早くくれたらよかったのに。」


「ほんとね。
啓吾の顔色がよくて
驚いたわ……。」



母が隣で笑った。


「パパ安全運転で頼みますね。」




車はやがて美しい花畑のある
小道を曲がった。


「めっちゃキレイだな~~。」
色とりどりの
花に見とれていた。



  忘れるな…忘れるな…


そう言いながら
記憶にインプットした。