禁断の恋はじめます

「どうした?」
下に降りて行くと両親が
心配げに私を見た。


「なんか泣いてるの。
また後で様子みてくるけど。」



「そう…。
さっきまで笑ってたのに
何か辛かったのね。」
母が心配そうにつぶやいた。



「可哀そうな啓吾……。
命の期限を知ってしまうということは
どんなに怖いんでしょうね。
あの子の望むこと…何でも
してあげたい……。
一番したいことって
何なのかしらね。
後悔しない最期の時を
迎えてほしい……。」


母の言葉に私と父も
うなづいた。



  啓吾の望み……


それはいったいなんなんだろう。


「私が変わってあげたいわ。
啓吾に命を分けてあげたい…。
やっと戻ってきてくれたのに
一緒に生活できると思ったのに…。」



私たち三人の
共通の気持ちだった。