禁断の恋はじめます

「おまえがいなくなって
正直ホッとしている自分がいた。
おまえのことを
曖昧に答える朱奈が
辛そうだったから
あまり触れないことにした。
俺はおまえがいなくなったことより
朱奈がもう俺一人のものだと
言う事に喜びすら感じてた。」



先輩は俺たちのことに
気づいていたんだ。


「辛い思いさせてすみません。」



「朱奈がいれば頑張れるんだ。
おまえを一生懸命応援してた
小さな憧れの妹が 今度は
俺を応援してくれる。
それだけでも幸せだった。
親に愛されてない自分が
ここで暮らすのが辛かった。
背中を押してくれたのは朱奈……。
就職内定して…プロポーズしてたんだ。」



「そうですか。
すみません そんな時に……。」



「俺はさ…待つよ。
朱奈のこと……。
悔いなく自分の想い全うさせてこればいい
そう思ってる。」


「先輩……。」



俺は思わず先輩を見上げた。