禁断の恋はじめます

「え・・・。」


先輩の言葉に俺は驚いた。


「まさかだろうって
思いながらも…朱奈の目は
俺を見ながら悲しそうだったから
でもおまえらは兄妹だし
そんなことは…とは思いながら
俺がいつもおまえに
怯えていたのは…
そういうことだったのかも
知れないな。」



俺の高校入学の
家族写真を立ちあがって
先輩が見ていた。


「おまえが俺の変わりに
サッカーで名声を得た時も悔しかった。
だけどその代わりに
朱奈がいつも俺のそばに
いてくれた。
俺はサッカーと引き換えに朱奈を
手に入れたんだと思ったよ。
そして一日も早く
おまえが朱奈から遠くに
行ってほしいと願ったんだ。
朱奈の心が…どこか違うところに
あるっていうのは気づいていた。
多分それがおまえなんだと
俺は…そう確信するのが
怖くて…でも…感じていたんだよな。」


先輩はソファーに戻って
コーヒーをのんで

「美味いな~おまえに
入れてもらうコーヒーは…。」
そう言って微笑んだ。